映画『天気の子』での帆高の台詞「世界の形を変える」。
印象に残っている方も多いのではないでしょうか?
その台詞の真意、そして「2度言った理由はなんだろう?」という考察をしていこうと思います。
また映画『君の名は。』のキャラが出演したことも話題になりましたね。
というわけで、これら2つの映画の世界線と時系列についても整理していきましょう!
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『天気の子』の「世界の形を変える」の真意は?
それでは早速、映画『天気の子』で「世界の形を変えるの真意とは?」について考察をしていきます。
この言葉の真意、それは「人々の認識をいつの間にか変えてしまった」ということです。
主人公の森嶋帆高、そしてヒロインの天野陽菜の選択がもたらした決定的なこと。
それはもちろん、東京の水没です。
天気の巫女である陽菜を空の世界から連れ帰ったことで、東京には3年間雨が降り続きます。
結果、東京の面積の3分の1は水没してしまいます。
長い堤防が築かれ、ビルは沈み、住処を追われた人々は移住します。
帆高は故郷である離島に戻り、そんな東京のニュースを日々耳にします。
ただ『天気の子』の世界は、さほど大きな混乱にはなっていなかったようです。
小説によると、東京は2年以上をかけてゆっくりと水没していったそうです。
東京は首都のまま、人々も住み続けています。
「それでは帆高は何に責任を感じているのだろう?」
と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
それが人々の認識です。
東京へ戻った帆高は、知人を訪ねて歩きます。
かつて陽菜の力で晴れを作ってあげた、冨美というおばあさんは帆高にこう言います。
「東京のあの辺はさ、もともとは海だったんだよ」
「結局元に戻っただけだわ、なんて思ったりもするね」
そして帆高と陽菜の選択を知っている、数少ない人間である須賀圭介も
「まあ気にすんなよ、青年。世界なんてさ、どうせもともと狂ってんだから」
と言います。
東京に住む人々が、ゆるやかに水没という事態を受け入れてきたことがわかります。
ゆっくり沈んでいったことで、あきらめる時間もあったのでしょう。
しかし
「東京は水没しているもの」
それが根付いている光景こそ、帆高にとって衝撃だったと思われます。
自分たちの選択が、世界の人々の常識を根底から書き換えてしまった。
物理的に何かを壊してしまうよりも、よほど恐ろしいことかもしれません。
そしてこの「世界の形を変えてしまった」は2回繰り返されます。
それぞれどんな意味が含まれているのか考察してみましょう。
『天気の子』の「世界の形を変える」と2度言った理由は?
映画『天気の子』で「世界の形を変える」と2度言った理由を考察しましょう。
「いつそんな台詞があったっけ?」
という振り返りもかねて、それぞれの台詞にこめられた意図を探っていきたいと思います。
それでは早速、予告でも使われた1度目の「世界の形を変えてしまった」についてお話していきますね。
1度目の台詞「東京の空の上で僕たちは、世界の形を決定的に変えてしまったのだ」
1度目は、東京の形を地理的に変えてしまったことに感慨を感じての言葉です。
この台詞は、映画の冒頭で使われます。
高校を卒業した帆高は再び東京へとやってきます。
全ての発端となった3年前の夏の出来事を思い返すように、帆高のこのモノローグが流れます。
離島暮らしの帆高は、東京が水没していく様子をニュースで見聞きしていたことでしょう。
地図を書き換えてしまった。
人々の暮らしを変えてしまった。
高校生には重すぎる責任を、3年のあいだ抱えながら生きていたことでしょう。
離島にいた3年間の帆高の様子を、小説より引用します。
「それは奇妙にしんとした年月だった。まるで海の底を歩いているように、地上から遠く隔たれているような気分のまま僕は日々を送った」
それではこの1度目を踏まえて、2度目の「世界の形を変えてしまった」を見ていきましょう。
帆高の最終的な気持ちがこめられた、もっと大切な台詞になります。
2度目の台詞「世界は最初から狂っていたわけじゃない。僕たちが変えたんだ」
2度目は、自分たちの引き起こしてしまったことを全てを受け入れる、覚悟の言葉です。
3年経って東京へ来た帆高は、実際に海に沈んだ街を目の当たりにします。
そしてこの出来事が、人々の意識を根底から変えてしまったことに気付きます。
このとき帆高は
「世界なんて、最初から狂ってた……」
と須賀の言葉を噛み締めます。
自分たちに責任はない、と逃れることもできたでしょう。
実際に須賀も、帆高に責任を負わせたくなくてこのような言い方をしたと思われます。
「どうして帆高はわざわざ須賀の言葉を否定したんだろう?」
と不思議に思ったのではないでしょうか?
それは帆高が大人になったからです。
3年前、帆高は親や学校から逃げて東京へやってきました。
そこで陽菜と出会い、一緒に暮らしたいと願います。
しかし帆高は責任を負うには幼すぎて、どんな言葉も説得力がないことに自分で気付きます。
高校を卒業した帆高は、今度こそ責任を全て受け入れ居る覚悟があったのでしょう。
陽菜を選んだこと、それに伴う代償。
もう逃げないという帆高の決意の表れです。
ところで『天気の子』に『君の名は。』のキャラクターたちが登場していることはご存じでしょうか?
『天気の子』と『君の名は。』の世界線考察!
映画『天気の子』には『君の名は。』のキャラクターたちが登場します。
「世界線にどんな繋がりが!?」という疑問にお答えしますね。
実は映画『天気の子』と映画『君の名は。』に、世界線的な繋がりはありません。
名前の同じキャラクターが、ただ他作品へ出張して顔出しするだけ。
「スターシステム」と言う、一種のファンサービスです。
新海作品においては「言の葉の庭」『君の名は。』でも同じ手法が使われています。
それでは各キャラクターの出演部分を紹介します。
まずは『君の名は。』主人公の瀧からです。
『天気の子』に出演する『君の名は。』キャラ、立花瀧
陽菜が晴れを作ってあげた、冨美という名前のおばあさん。
その孫が「タキさん」、つまり瀧です。
帆高や陽菜たちと話したり、スイカを食べたり、出演シーンはかなり印象に残ります。
続いて『君の名は。』ヒロイン三葉です。
『天気の子』に出演する『君の名は。』キャラ、宮水三葉
陽菜の誕生日プレゼントに、指輪を贈ることにした帆高。
そのとき相談に乗ってくれたジュエリーショップの店員さんが三葉です。
ネームプレートに「宮水」と書いてあります。
そして、三葉の同級生であるあのカップルも出演しています……!
『天気の子』に出演する『君の名は。』キャラ、勅使河原克彦と名取早耶香
陽菜が晴れ女の力を使う、お台場のフリーマーケット会場。
観覧車が映るシーンに、テッシーとサヤちんの後ろ姿があります。
台詞はそれぞれ「すっげー」と「わぁきれい」のみ。ほんの一瞬の出演です。
そして見つける難易度が最も高いのが、この子です。
『天気の子』に出演する『君の名は。』キャラ、宮水四葉
陽菜が空の世界へ行ったことで、東京に久々に晴れ間がのぞきます。
きれいな青空に喜ぶ人々。学校で空を見上げている生徒の1人が、三葉の妹である四葉です。
台詞は「なんか涙出るね」。
高校生になった四葉は髪をツインテールにしているので、探すときは注意してくださいね。
それでは『君の名は。』から『天気の子』に至る、時系列を整理しましょう。
『天気の子』と『君の名は。』の時系列考察!
早速『君の名は。』から始まる『天気の子』ラストまでの時系列を見ていきましょう。
2013年夏。
『君の名は。』で隕石が落下しました。
立花瀧は中学2年生の14歳。
宮水三葉は高校2年生の17歳です。
2016年夏。
『君の名は。』で瀧が過去に干渉し、隕石被害を防ぎます。
瀧は高校2年生の17歳。
三葉は生存できていれば20歳です。
そして2021年夏。
『天気の子』で、帆高と陽菜が出会います。
瀧は大学4年生の22歳。
三葉は25歳です。
2022年春。
瀧と三葉が再会します。
「あれ、なんか矛盾しない?」
と思った方、鋭いですね!
2022年春といえば、東京では雨が降り続いているはずです。
おそらく少しずつ水没も始まっていたことでしょう。
しかし『君の名は。』のラストシーンは、ご存じの通り晴天の中、満開の桜の下で2人は再会します。
このことから、『天気の子』と『君の名は。』の世界線には繋がりがないことがわかりますね。
ちなみに2024年春。
帆高は大学1年生となり、再び東京を訪れます。
そして冨美の家へ行きますが、小説版にこのような記述があります。
「部屋にはいくつか写真が飾られている。(略)お孫さんの結婚写真」
ファンの間では、瀧の結婚相手は三葉なのでは?と噂されています。
世界線が違っても結ばれる2人。
やはり新海作品はロマンティックですね。
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『天気の子』の「世界の形を変える」の台詞と『君の名は。』まとめ
天気の子のキー台詞「世界を変えてしまった」についての考察と、『君の名は。』との関係性を紹介しました。
ちなみに『天気の子』と『君の名は。』が同一世界線だとすると……
宮水三葉
17歳のとき故郷糸森に彗星落下
25~28歳にかけて東京に水害発生
と、なかなかに「歩く災厄」状態になってしまうそうです。
「もうこれ天気の巫女関係なしに三葉が悪いだろ……」
なんて声もあるので、ぜひ別世界と考えましょう!
画像出典映画『天気の子』公式サイトhttps://tenkinoko.com/