「天気の子」で、主人公の森嶋帆高が警察に追われるきっかけにもなった銃。
強烈に印象に残りましたが「銃の必要性は?意味はあったの?」という疑問もよく耳にします。
そこで天気の子における、銃の役割を考察してみました!
またラスト結末のネタバレや、感想も紹介します。
未視聴の方は注意してお読みくださいね。
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天気の子(映画)で銃の正体は?
画像出典:https://twitter.com/Shinkai_ten
天気の子の考察をする前に、まずは銃の正体をはっきりさせておきましょう。
主人公である森嶋帆高はどのように、銃を手に入れてしまったのでしょうか?
銃の持ち主の名前は柴田。
帆高が東京に来たときに、背景で「銃器を押収した」というニュースが流れていました。
柴田は大量の銃器を所持し、刑事たちはその行方を追っていました。
そしてそのうちの1つを、帆高はたまたまゴミ箱の中から見つけてしまいました。
ちなみに銃の種類は、ロシア製のマカロフです。
コンパクトで持ち運びがしやすく、取り扱いも簡単です。
また安全装置をかけなくても暴発しづらいという特徴もあります。
現実にも警察に押収される銃器としては、上位に来るそうです。
高校生である帆高にも、銃が扱えたことに説得力がありますね。
それではいよいよ「この物語、銃は必要だったの?」という疑問に答えを出していきますね。
天気の子(映画)で銃の必要性の意味の考察は?
画像出典:https://twitter.com/tenkinoko_movie
天気の子に銃は必要だったのでしょうか?
どんな意味があったのか、それを考察していきたいと思います。
まず結論を言います。
銃は「現実の世界」の象徴として必要でした。
新海監督は「天気の子」について
「今作の発想のきっかけは、前作の映画『君の名は。』が僕たち制作者の想定を遥かに超えてヒットしてしまったことにあった」
と語っています。
ということで、「君の名は。」と比較しつつ、「天気の子」の世界を紐解いていきます。
2作品の大きな違いは、「東京」の描き方です。
「君の名は。」の東京は、三葉の憧れです。
キラキラと華やかで、可愛いものに溢れていました。
片や「天気の子」の東京は、汚さが強調されていました。
公開当時話題となった、風俗求人サイトのバニラカー。
ゴミだらけの路地裏。
行き交う人々の冷たい視線。
帆高は何度も「東京って怖い」と呟きます。
「どうしてこんなに東京を生々しく描いたんだろう?」
視聴した方の中には、疑問を持った方もいたかもしれませんね。
それは天気の子では「彼岸」と呼ばれていた、神の世界と対比するためです。
「君の名は。」の神は、宮水家の守り神です。
瀧を過去へ飛ばし、隕石の落下から三葉たちを救います。
一方で「天気の子」の神は、ヒロインの天野陽菜を空へと連れ去ってしまう存在です。
雲の上にある彼岸の世界は、鮮やかな草原に、透明の魚が泳ぐ、幻想的な空間です。
そして銃は、神々しさと対極にあるものです。
火や金気は不浄なものとして、神は嫌うとされています。
銃は両方の性質をそなえるものです。
そのため陽菜を助けに彼岸へ行くときには、帆高は銃を手放さなければなりません。
美しい神の力を授かってしまった陽菜。
そんな彼女を、不浄な銃を拾ってしまった帆高が「汚い世界」へと連れ帰るのが「天気の子」という物語なのです。
それでは「汚い世界」は、いったいどんな結末を迎えたのでしょう?
続いては、天気の子の結末をネタバレしていきますね。
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天気の子(映画)でラスト結末ネタバレは?
画像出典:https://twitter.com/Shinkai_ten
天気の子のラスト結末のネタバレはこちらになります。
森嶋帆高は警察から、天野陽菜と弟の天野凪は児童相談所から、逃亡をはかります。
3人で場末のラブホテルで一晩過ごし、明くる日、陽菜は消えていました。
代わりに空は晴れ渡っています。
帆高に見せるために、陽菜は最後の力で晴れを呼んだのでした。
警察に拘束された帆高は、隙を見て脱走します。
「陽菜にもう一度会いたい」その一心でした。
追いかけてくる警察を銃で威嚇し、たどり着いたのは廃ビルでした。
陽菜が晴れ女の力を授かった場所です。
屋上には小さなお稲荷さんがありました。
鳥居をくぐると、そこは遥か上空の世界でした。
帆高は、天気よりも陽菜が大切だと伝えます。
陽菜もその思いにこたえ、2人は地上へ戻ったのでした。
3年後。
高校を卒業した帆高は、故郷の島を離れて東京に来ました。
東京は雨が降り続き、ほとんどが水没していました。
狂ってしまった世界の中、帆高は高校生となった陽菜と再会します。
続いて、天気の子を観賞した感想をご覧ください。
天気の子(映画)の感想は?
画像出典:https://twitter.com/tenkinoko_movie
天気の子の感想はこちらです。
新海誠監督といえば、いわゆるセカイ系です。
セカイ系とはおおまかに言えば、主人公とヒロイン、そして世界の崩壊がテーマとなる作品です。
主人公は最後に、ヒロインと世界のどちらを取るか選択を迫られます。
そしてほとんどの場合、泣く泣く世界を取ることになります。
世界は救われ、ヒロインは神格化し、物語は大団円です。
しかし天気の子は、ヒロインを選んでしまったのです。
新海監督は「君の名は。」で怒っていた人たちを、さらに怒らせることを目標として今作を作ったそうです。
確かに帆高の決断には、観客の多くが驚きました。
ただ意外にも、帆高を否定する人は少なかったように思います。
みんなどこかで、自分が帆高なら同じ決断をしたと思っているのでしょう。
世界よりヒロイン。
全体より個。
新しい時代を感じた映画でした。
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天気の子(映画)銃の考察とネタバレまとめ
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天気の子から、銃にスポットを当てて考察してみました。
「チェーホフの銃」
という言葉があります。
ロシアの劇作家が提唱した、文学の技法です。
「銃が舞台上に現れたら、必ず発砲されなければならない」
転じて
「舞台上に余計なものを置いてはいけない」
というドラマ上のルールです。
それほどまでに、銃とはインパクトがある道具なのです。
特に日本では銃は見慣れないので、そこにあるだけでぎょっとするでしょう。
それでもあえて登場させたことで、世界観を壊してしまおうという強い意志を感じました。
「君の名は。」では新海作品の世界観の美しさが称賛されました。
しかしそれで満足しては新しいものが作れないことを、監督は知っていたのでしょう。
大ヒットした「君の名は。」から、さらに踏み込んだ作品を作り出すため。
あえて銃という劇薬を投入したのだと思いました。
画像出典映画『天気の子』公式サイトhttps://tenkinoko.com/