ジブリ映画「風の谷のナウシカ」のナウシカといえばアニメージュの人気投票で1位常連と言われたほど、男性を魅了したキャラクターです。
しかしもう1人のヒロイン、クシャナにも熱狂的ファンがいることをご存知でしょうか?
全身を金の鎧で覆ったクシャナの体の秘密と、左手が義手の理由について解明していきましょう。
また「名前の由来は?」という考察や「最後まで生き残るの?」というネタバレもしていきます。
クシャナにハマること、間違いなしです!
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「風の谷のナウシカ」のクシャナの体の秘密は?
「ナウシカのクシャナの体の秘密はなんだろう?」
と気になっている方も多いでしょう。
まずクシャナの左腕は義手となっています。
左手首を外すと中身が空っぽで、風の谷の城オジたちが驚くシーンがあります。
劇中で甲冑を脱いだ姿が見られますが、義手が肩口から嵌められています。
左腕部分は丸々ないと推測できます。
またクシャナは
「我が夫となる者はさらにおぞましきものを見るだろう」
と気になる台詞も言っています。
マントを脱いだ白いワンピースのような姿を観察すると、両足は甲冑を履いたままです。
このことから、両足も義足なのでは?と推測されています。
ユパに「蟲(むし)にか?」と問われ、クシャナは否定しませんでした。
過去に蟲(むし)によって、体を欠損したものと考えられます。
もしかしたら四肢以外にも、大きなケガを負っている部分があるのかもしれませんね。
それではクシャナの左手の義手について、さらにくわしく考察していきましょう。
「風の谷のナウシカ」のクシャナの左手が義手の理由は?
ナウシカのクシャナの左手が義手の理由について、ここでは考察していきます。
実はナウシカの原作に当たる、アニメージュで連載されていた漫画版では、クシャナは欠損していません。
「どうして映画版だと左手がないのだろう?」
と不思議に思う方も多いかもしれませんね。
理由は、映画版と漫画版でナウシカとクシャナの関係性が大きく異なるからです。
まずは映画版を見ていきましょう。
クシャナは武力をもって風の谷を侵略する、尊大な悪党です。
「あんたも姫様だろうが、わしらの姫様とだいぶ違うのぉ」
と、城オジがクシャナに向かって言う台詞があります。
映画版は、ナウシカとクシャナを正反対の姫として描いています。
平安時代の古典文学「虫めづる姫君」が、ナウシカの原型です。
ナウシカというキャラクターにおいて、「蟲を愛する」ことがどれほど重要かわかりますね。
一方でクシャナは、蟲に嫌悪感を持っています。
腐海に不時着し、王蟲(おうむ)の群れに囲まれたとき、思わず発砲しようとしていました。
王蟲の金色に輝く触手にも、怯えたような態度をとります。
次に漫画版を見ていきましょう。
漫画全7巻のうち、クシャナはナウシカ以外に単独で表紙を飾った唯一のキャラクターになります。
四肢のあるクシャナは、常に微笑をたたえた冷静な人物です。
好戦的な性格で、やさしいナウシカとは対照的でした。
しかしナウシカに影響を受けていき、最終巻では互いに無事を喜んで手を取り合います。
蟲に対しては、人並みに嫌悪感や危機意識はあるようです。
しかし満身創痍で蟲と対面するという危機的状況でも
「お前が私の死か……」
とあきらめ、取り乱すことはありません。
映画版と漫画版で、クシャナの蟲に対するスタンスに大きな違いがあることがわかります。
左手の欠損によって、映画版クシャナの蟲に対する強い恨みと嫌悪に、説得力を持たせているのです。
ところで、クシャナの名前の由来はなんでしょうか?
「風の谷のナウシカ」のクシャナの名前の由来は?
クシャナの名前の由来を紹介しますね。
1つ目は、ナウシカとのアナグラムという説です。
ナウシカのスペルは「Nausicaa」です。
組み替えると「Cusianaa」(クシャナ)になります。
またローマ字説もあります。
ナウシカは「NAUSHIKA」。
クシャナは「KUSHANA」です。
「ナウシカには“I(愛)”があるが、クシャナには“I(愛)”がない」と言われることもあるようです。
「クシャナは冷酷な人なんだろうか……」
映画を見た人の中には、そういう印象を受ける方もいるでしょう。
確かにナウシカのような博愛ではありません。
しかし漫画版のクシャナは、部下を誇りに思い、死には涙します。
もう1人の主人公として、クシャナにも深い愛情があるように描かれています。
なので私は、ローマ字説には否定的です。
2つ目はクシャーナ朝を由来とする説です。
クシャーナ朝は、1世紀半ばから3世紀頃まで、アフガニスタンから北インドにかけて栄えました。
「昔の王朝とナウシカに何が関係があるんだろう?」
と疑問に思う方もいるでしょう。
実は王朝の栄えたその場所に、風の谷のモデルがあったのです。
パキスタンの「フンザ」です。
切り立った山に囲まれ、自然豊かな光景は「桃源郷」と言われています。
またクシャーナ朝は、広大な領地を持っていました。
そのため美術、宗教、言語などの文化には、包容的だったことが特徴とされています。
クシャナの母国トルメキアも、周辺諸国を属国とし、ナウシカの世界を二分した勢力です。
参考にした部分もあるのかもしれませんね。
そんなクシャナですが、物語の最後まで生き残ることができるのでしょうか?
「風の谷のナウシカ」のクシャナは最後は生き残るのか?
「ナウシカのクシャナは最後は生き残るのか?」
というネタバレをしていきますね。
結論をまず言いますと、映画版と漫画版、どちらも生き残ります。
映画版に関しては、ご存知かもしれないですね。
トルメキアに侵攻されたぺジテは報復として、王蟲の群れを風の谷へと誘導します。
クシャナは巨神兵で迎え撃とうとしますが、失敗します。
ナウシカは王蟲の群れの前に立ちはだかり、身を犠牲にして暴走を止めました。
しかし奇跡が起きました。
王蟲たちの金色に輝く触手に包まれると、ナウシカが蘇生したのです。
その神々しい光景に毒気を抜かれたトルメキア軍は、風の谷から撤退していきました。
次に漫画版です。
映画の内容は、全7巻のうちの2巻目までです。
アスベルに襲撃されて腐海に不時着したところから、大きく展開が変わっていきます。
ナウシカの世界において、トルメキアに匹敵する大国「土鬼(ドルク)」。
この二大勢力が全面戦争を開始し、風の谷も巻き込まれていきます。
部隊のほとんどが壊滅し、多くの領土も失われます。
しかしクシャナは、持ち前の武運と胆力で最後まで生き残ります。
トルメキア国王の父から王位継承権を譲られますが、クシャナは断り「代王」として地位につきます。
そしてトルメキアの「中興の祖」と称えられるようになりました。
以来、トルメキアは王を持たない国となったのです。
「風の谷のナウシカ」のクシャナの考察まとめ
風の谷のナウシカから、クシャナについて考察してみました。
クシャナには熱狂的なファンがいると冒頭で述べましたが、その1人が宮崎駿監督の弟子、庵野秀明氏です。
庵野秀明氏といえば、ご存知の通りエヴァンゲリオンの監督ですね。
惣流・アスカ・ラングレーの実母は精神を病み、人形を実の娘だと思い込んでいました。
実はクシャナにも同じ生い立ちがあります。
これはナウシカの制作にも関わった庵野監督が、クシャナを参考にしたからだと言われています。
ちなみに庵野監督は、クシャナを主人公とした映画を提案したこともあるようです。
宮崎監督にはバッサリ切り捨てられてしまったようですが。
画像出典アンク@金曜ロードSHOW!公式:https://twitter.com/kinro_ntv/status/1081170539148787712